こいのおくすり
晩御飯が終わり、自分の部屋へと篭る。
しばらく時間が経って、飲み物を取りに行こうと思い
廊下を通るととある部屋から声が聞こえる。
親父とお袋の声だ。
「爽とカップルに間違われて嬉しかった…?」
「そ、そんな…爽は息子よ?それに私、そんなに若くな…っ…」
「日花璃忘れてない?日花璃は俺のもンだってこと。」
「忘れてるわけないよっ…私は…虎太郎のものだもの…」
「だけど、嬉しかったのは事実だろ…?」
「っ…」
「だから爽と二人で買い物とか行って欲しくなかったんだよ。俺が行けばよかったし。」
親父言ってることが酷い…
自分は澪としょっちゅう2人で出かけて
兄妹に間違えられたって喜んで帰ってくるくせに。
「日花璃、どうなるかわかってるよね…?」
「え…隣っ…澪が…爽だってい…っん…」
「いっつも分かってない日花璃が悪い。」
そう親父がそう言った途端話し声が途切れた。
ああ、今日は自分の部屋では
絶対に寝れそうにないな…
澪は…多分起きないだろうな…
あいつ、地震来ても起きなかったくらいだし…(苦笑)
そう思いながら俺は下に降りて
今日はリビングのソファーで寝ようと思った。
そして下に降りたついでに
今日買ったストラップの片割れを
親父のカバンの中に忍ばせた。