こいのおくすり
 
本人に知らせるべき。

そう思っているのは事実。

だけど、その事実を伝えたとき

日花璃はどんな表情をするだろう?

きっと、今より無理して笑うに

決まってる…。

これ以上、日花璃の無理な笑顔を

見たくないんだ…

「最近…学校はどんな感じ?」

日花璃が入院してから

もう半年が経過しようとしていた。

「今はみんな、受験とか就職に向けて、必死に勉強してる。」

「あぁ、そっかあ。もうそんな時期なんだあ…」

そういうと少し悲しそうな顔をする日花璃

「私…学校行ける日くるのかな…」

「きっと来る。」

「そうだねっ…そしたらまた一緒に途中まで行こうねっ。」

そう言ってまた日花璃が笑った。


< 3 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop