こいのおくすり
 
あの後、1時間くらい電車とバスを乗り継いで

おにぃの家に向かった。

おにぃの家…おにぃの住んでるマンションの前で

おにぃは待っていてくれた。

「おにぃ!」

「澪。待ってた。」

「も~。聞いてよ!」

「とりあえず中入ろ?な?」

そう促されておにぃの部屋に入る。

「もう聞いてよ!」

「今度は何だよ…」

そして経緯を話す澪。

全てを話し終えると

目の前には腹をかかえて笑っているおにぃの姿。

「もう!笑い事じゃない!」

「ごめん。ごめんて。」

「あー。高校生なったら澪おにぃと一緒に住もうかなあ。」

「それは辞めとけ。お前朝苦手なのにどーやって学校通うんだよ。」

そう言ってまた笑うおにぃ

確かにおにぃの家からだと学校まで2時間くらいかかるけど…

「まあ、今日は多分もう家帰れないと思うから泊まってけ。」

「そうするー。あ、澪お昼ご飯まだ食べてないんだった。おにぃ。何か食べたい。」

「簡単なものでいい?」

「なんでもいいー。お腹すいたー。」

「ん、分かった。」

そう言ってご飯を準備してくれるおにぃ。

お昼ごはんを食べてからお昼寝して

起きた頃には夕方になってて、パパから電話が入ってて

おにぃの家に泊まることを連絡すると

「そうか、ゆっくりして帰って来いよ!」

なんて楽しそうに言うもんだから全く帰る気がなくなった。

「澪、春休み中おにぃの家泊まろうかなあ…」

「それは辞めとけ。親父が泣くぞ。」

あ…

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