こいのおくすり
 
学校が終わると俺はすぐさま

日花璃の病室へと駆けつけた

だけど、そこに日花璃の姿はなかった…

「日花璃…っ!?」

俺は病院中を探し回った。

そして思い当たった1つの場所。

日花璃が病院の中で唯一の憩いの場だと言っていた場所

中庭へと向かった…

するとその中庭のベンチに1つ

小さな影を見つけた。

日花璃だ…

「日花璃…」

「あ、こたろー…」

そう言ってやっぱり無理に笑おうとする日花璃

だけどその笑顔はもう笑顔と呼べるものではなかった…

「日花…「知ってたの?」

俺の言葉をさえぎって叫んだ日花璃。

「こたろーは私の病気の状態、知ってたの…?」

そう言う日花璃の顔は今にも泣きそうな顔だった。

俺は日花璃の泣き顔を一度も見たことなくて

本当にびっくりした…

「…ごめん…」

「なんで、言ってくれなかった…のっ…」

言えなかった…

「本当にごめん…」

「っ…こたろーのばかっ…だいっきらいっ…」

「日花璃っ…」

「帰って!もうこたろーの顔なんか見たくないっ」

そう言って日花璃は俺の顔を全く見なくなった…

「本当にごめん…」

そうつぶやいて、日花璃の前を去った。



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