禁断の恋はじめます
病院に駆け付けた時
まだおばあちゃんは生きていた。

親戚の人たちがたくさんいて


「静江 早くかあさん待ってるぞ」


兄弟の人がそう言って
ママを出迎えた。


ママは慌てて病室に飛び込んで
                                      


「おかあさん!!静江だよ
ごめんね遅くなって!!」



おばあちゃんの周りを家族が囲んだ。


「静……」



「おかあさん!!」



「元気だったのかい……
ごめんね……あの時……ごめんね…
ずっと……言えなくて……
あんたは…えらいよ……。
ごめんね……」




「いいのよ…全然…私こそ心配してくれてるの
わかってたのに……ごめんなさい……」




「しゅ…な…は…?」




パパが私の背中を押した。




「朱奈よ……。」



「ごめんね…おばあ…ちゃん…らしいこと
何もして…あげられなく…て…」



それがほとんど記憶に薄い
おばあちゃんの最後の言葉だった。




どうして啓吾の名前を呼ばないのか
私は考えていた。
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