禁断の恋はじめます
お葬式の用意でバタバタしてると
啓吾がぼそっと言った。


「なんかさ…俺 居場所ないんだけど…」

  

他の従妹たちはみんな仲良しで
確かにそれは言えた。


「うちあんまり来たことないからじゃない?」



「そうか~でもさ
朱奈は話しかけられるけど
なんか俺…変な視線感じるんだよな。
じろじろ見られてる…?
なんかムカツク……」



「気のせいだよ…」


そうは言ったものの私も感じていた。


啓吾が可哀そうだと思ったから
なるべくそばにいて
啓吾が一人にならないようにしてた。



空気が違う
視線が痛い


そして最後に同じ兄妹なのに
名前を呼ばれなかった啓吾



私たち兄妹は少し離れたところで
肩身狭くしていた。



パパとママは気にして何度も
声をかけてくれたけど


「忙しいんだから大丈夫だよ。
二人はやらないといけないことしてきて」

啓吾はそう言った。
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