禁断の恋はじめます
「朱奈は 二人のいいとことって
べっぴんさんだな~」


朝食 向かいに座っていたママのお兄さんが
そう言った。


「ありがと。」



「学校でももてるだろ~?」



「そうでもないよ~
もてるといったらおにいちゃんの方が
すごいよ~ファンクラブ結成されていたし~」

何も考えず話題を啓吾にふった。


「やめろって~」
恥ずかしそうに啓吾が言った。


だけど…
その話はここで終わって沈黙のままに
一気に重苦しい空気が流れる。


パパとママは気まずそうにしてるし
私は昨日の流れを思い出して
身が縮んだ。



朝食が終わってトイレに寄って
出てきたら


「朱奈これ…」数人のおばさんが
おこづかいをくれた。


「え?」


「朱奈にはめったに会えんかったから
こづかいやったことないし…
こんな機会じゃないと会えないからさ…」


そう言って私の手にはチリ紙につつまれた
お金が一気にのった。


「あ…そう…あんたのおにいちゃんには
内緒にしておいて。
おにいちゃんの分まではないからね。」


そう言ってまた談笑しながら去って行った。


私は慌ててそのお金をポケットにしまった。


なんだかとても後ろめたくて…
イヤな感じだと思った。
< 111 / 443 >

この作品をシェア

pagetop