禁断の恋はじめます
私たちがキスを楽しみ終えて
啓吾がリビングに降りて行った。


しばらくして

「朱奈!!今日出前だって~
何食うんだ!?」


啓吾の声は兄の声に戻っている。


愛おしくここで
愛を囁いていた人……
私も……切り替えないと……
鏡を見つめて頬を数回

パンパンと叩いた。



「え~~~!!ちょっと待って~~
お寿司?ラーメン?おそば?」


私は妹に戻って階段を降りて行く。



出前のおそばを囲みながらひさしぶりの
家族団欒になった。


「かあさん…俺…なんか嫌われてたよね。」

啓吾がいきなり切りこんできた。


「え?そんなことないよ。
いなかの人たちだから……」


「だって…朱奈には話しかけてたけど
俺に話しかける人は誰もいなかったよ。」


ママはさすがに突然の突っ込みに
少々慌ててる。


「ほら…昨日も言っただろ。
啓吾はもう話しかけずらい年頃だって
そう思ってたらしいぞ。
遠慮してる様子だっただろ…?」

パパが助け舟を出して
ママはニッコリほほ笑んだ。


「そうそう…啓吾にもちゃんと
お小遣い預かってきたんだよ。」


ママはそう言うと私がもらって
半分にしたお小遣いを啓吾に渡した。

「マジ!?」目を輝かせ封筒の中身を見て


「ん~ちょっと…だけどまっいいっか~」

いつもの啓吾に戻って笑った。
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