禁断の恋はじめます
氷の華
 私は後にいるよ


啓吾の背中に叫んだ。


啓吾の長い脚の歩幅と私の短い脚の歩幅は
私が必死に小走りしないと永遠に
近づきそうない……。


 なんか私と啓吾みたい


追いつくには私は
必死に追いかけなければ行けない……。


こうしてずっとずっと
啓吾を追いかけて行くんだろうか。


いきなり啓吾が立ち止った。



私は早歩きで啓吾に追いつこうと
ピッチをあげる。



携帯のバイブが鳴った。



  ん……?


「もしもし~」



「遅いぞ、早く来いよ~」



「え?」



「走って来いって~
おまえ距離置き過ぎだし……」



啓吾の後ろ姿が涙でにじんだ。



私は全力疾走で啓吾の背中に抱きついた。


「意地悪…大嫌い……」


啓吾は私の手を優しく握ってくれた。
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