禁断の恋はじめます
私は大げさに演技をした。


「じゃあ…おじいさん…
お大事にして下さいね。」

啓吾はもう一度 おじいさんの手を握った。


「啓吾…行こう……。」
ママが言った。


啓吾があるき出した時


おじいさんが

「祥子はまだ来ないのか?」と聞いた。



「祥子は来れないよ。」
おばあさんが言った。



「啓吾が来たのに……
なんで祥子は来ないんだ?」



ママと私は啓吾を引っ張って
病室の外に出た。



心臓がドキドキした。



「朱奈?大丈夫か?
かあさん ここで診てもらったら?」



「ううん…大丈夫だよ……。
ちょっと貧血っぽかったんだ……。
車で寝ていけばすぐよくなるから……。」



「そっか~受験生なんだから
早く帰ろうよ。」



「うん…ママ早く帰ろう。」

私はちょっと動揺しているママに声をかけた。


「あ…行こうか…
パパが心配そうに迎えにきた。



そばにいたおじさんが啓吾を見る目が
優しかった。
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