禁断の恋はじめます
何事もなかったように啓吾を囲む
食卓は楽しかった。


私も気持ちを切り替えて啓吾の前に立った。


いつものように
サーモンの奪い合い

その姿に

「いつまでも子供なんだから」
両親は目を細める。


  裏切り


もうひとつの真実を知ったら
ママはどんなに傷つくだろう


兄妹として育ってきて
目の前で兄妹を装う私たちが
愛し合っているなんて……



偽りが偽りを助長させていく……


真実を知ったら


私たち家族は地獄へ落ちるだろう。



「仕方ねーな~」


啓吾が私の口にサーモンの手巻きを
ねじ込んだ。


触れ合うたび
電気が走るように私と啓吾は
他の誰にも見えないスパークをしている。
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