禁断の恋はじめます
学校でも学校外でも
啓吾は有名人になっていた。
それはサッカーを好きな人たちには
アイドルのような存在だった。


「今日も知らない人に声かけられて
めっちゃ疲れた。
サインとかしてって言われて
書いたことないって断ったら
何でもいいから書いてってさ…
仕方ないから漢字で書いたよ。
池端 啓吾って。」


「サイン練習したら?」
私が言うと


「バカでしょ…」
笑って私の頭を小突く。


  ドキン


胸が高鳴る。


パパもママも微笑ましく笑ってるけど
私の心の中はときめいている。



近くにいるけど
一番遠い人………。


本当は誰にも何も言われず
結ばれてもいい人だけど
それは啓吾には言えない。


私と結ばれるより
もっともっと辛い真実を知ってしまうから……。
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