禁断の恋はじめます
真実への加速
「どうした?なんか元気ないな~」

家の途中まで迎えに来てくれた勇樹が
覗き込んだ。


「ん?あ…ごめん……。」
今日はこの暗さを隠すことはできなかった。


「親に怒られちゃって……。」


「朱奈でも怒られんのか?」
勇樹は目を丸くした。


「怒られるよ~~もうめっちゃ~~」


「へ~~意外だな。
朱奈はいい子だしご両親も何度も見てるけど
優しそうだもんな。」


「優しいよ!!大好きだよ!!」


思わず声が大きくなった。

そして勇樹が親に恵まれてないことを
思い出してハッとした。


「だから朱奈みたいないい子が
育つんだな~」
そう言うと笑った。


「勇樹……。」

思わず勇樹の手を握りしめた。


「ごめんね……。」


「バカだな~そんな気づかいはいいから~」

そう言うと思いっきりつないだ手を振り上げて
ニッコリ笑った。
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