禁断の恋はじめます
……奈……朱奈……

夢の中?私を呼ぶ声がする。

「どうして俺たち兄妹に生まれたんだろ…
どうして家族でいることが
こんなに幸せなんだろ……。」


啓吾の声だった。
咄嗟に私は目を固く閉じる。
ここで目を開いたら……
もう歯止めが利かなくなるから
私はそう思ってドキドキしてる心臓の音を
闇の中で感じてる。


「家族でいることが…楽しくなくて
とうさんやかあさんが嫌いだったら……
俺…絶対おまえを抱いてしまう…。
おまえが嫌がっても泣いても叫んでも……
自分の欲求だけに走ってるかもしれない……。」


啓吾の指が髪に触れた。


「ずっと俺だけの朱奈だったのに……
先輩にさわられてるおまえを見るたび
気が狂いそうで
先輩をぶん殴って
朱奈は俺のものだって……
誰の目にも触れさせないところに
隠してしまいたい……。」


唇に指が触れた。


「もうこれ以上キレイになるな
これ以上輝くな……」


次の瞬間
啓吾の唇が触れた。

気持ちよくて…応じてしまいそうな
欲望を必死におさえる。


  私も大好きだよ啓吾……


啓吾が出ていった部屋で
私は朝まで泣いた……。
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