禁断の恋はじめます
「ママ……」私はあまりに不安で
泣きそうになっていた。


「うん…朱奈…大丈夫よ…うん…
逃げてたらダメね……。
言わなきゃ……うん……パパが帰ってきたら
相談してみるわ。」


「前田って…何なの
今頃何だって言うの……」



「啓吾は友之にソックリなのよ。
怖いくらい…よく似てる……。
頭がいいのは二人ともトップクラスだったから…
祥子はおとなしかったけど
運動も勉強も一番だった……。
友之はいろいろあって
少しひねくれ者だったけど
なんでもよくできて
男女とも一番のカップルだったわ。」


「だから啓吾はなんでもできるんだ。」


「うん…ほんとそうなの……。
素敵な二人だった……。」


とうとう啓吾が……
全てを知る日が近づいている。


ここの子じゃないこと
両親は死んでしまったこと


私とは血のつながらない
赤の他人で……
私たちは堂々と愛し合えること


そして…殺人者の子供だということ……
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