禁断の恋はじめます
「かあちゃん…遅くないか…。」

インスタントラーメンに卵を放した夕飯では
我慢できない啓吾が時計を見た。


「うん…遅い……。」


私も心配になって携帯に何度か
連絡をとってみたけど
返事がなかった。


「どうなったのかくらい
連絡してくれればいいじゃんか。
俺はもう決心して 向こうも俺に
来いって言ってんだし
もうこれで万々歳だろ。」


啓吾はソファーに横になって
そのうち寝息を立て出した。
私はうたた寝用の毛布を出して
啓吾の体にかけた。


  好きよ…
  私だって啓吾に会えない毎日が
  どんなに悲しいか
  想像できるもの……。


この間の夜 啓吾が私にしたように
恐る恐る啓吾の頬に触れる。

電気が走った。
こんなに強く反応してる自分に
驚いて手を放した。


「辛いね…啓吾……。」

私は涙を慌てて拭いた。
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