禁断の恋はじめます
「脅迫状にはこれ以上
おまえが目立つようなら
このことをばらまいてやると
書いてあったそうだ。
卑怯で卑劣な人間がおまえを
陥れようとしてる。」



「卑怯で卑劣?
そうだよ…俺は殺人犯の息子だろ。
遺伝だよ 遺伝……。
だから俺はとうさんにもかあさんにも…
似てなかったんだ。
可哀そうな俺を
今まで育ててくれたんだ……。
そんなことも知らずに
俺は夢を見たり人以上に欲しいものを
欲しがったり……
本当の……子じゃないのに…
家族だって……疑ってなくて……」


啓吾が顔を伏せた。


「啓吾は私の子よ。
私たちの子供で…朱奈のおにいちゃんで…」

ママの言葉は嗚咽で消える。

「ウ…ウ………」

啓吾は肩を震わせている。


どうしてあげたらいい?
私何でもしてあげるよ……。


後から抱きしめてあげたかったけど…
家族じゃない宣言は
私の体をも動かなくしてしまった。
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