禁断の恋はじめます
「啓吾……?」

部屋は真っ暗だった。


「啓吾……?」



耳を澄ますと啓吾の息使いが聞こえた。



  泣いてる……


「啓吾……。」



「あっち……いけ……。」
嗚咽に交じって啓吾の声は震えていた。



「だって……啓吾を一人にできない……。」


啓吾の嗚咽が暗闇を覆った。


「泣かないでよ…啓吾……。」


私まで耐えられなくなる。


「一人じゃないよ。
これからだっていつだって一緒だよ。
私たち……今までと何にも変わらないからね。」


啓吾の嗚咽が私を刺す……。


「今までと…何も変わらない…よ…。」
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