禁断の恋はじめます
「先輩なんだ。」

朱奈にしても千沙にしてもサッカーにしても
俺は先輩とどんだけ
関係があるのかとおかしくなった。



「おこった?」


「怒るわけがないよ。先輩は
誰が見てもかっこよくて頭よくて……
金持ちだし…女には絶対的にもてるだろ。」



「お金持ちっていうのは…私もそうだけど
そう思われるのは悲しいよ。
特に勇樹んとこは 親は放置だから
ある意味 虐待だよね。
お金あっても幸せだとは
限らないよ。要は家族の中が
笑顔で満ち溢れてる家庭には
かなわない…だから私も勇樹も
啓吾と朱奈ちゃんに憧れたのかな。」



「え~~そうか?
いたって普通の家庭だけどな。」



「啓吾のことすごく
愛してるじゃない家族が……。」


「そうだね。それはそう思う。」


「そういうことよ。
私もそうだけど…特に勇樹は
ずっとさびしい思いしてたから
今 その幸せの象徴の朱奈ちゃんと
付き合えて幸せなんだろうなって
思うよ。
ずっと啓吾がうらやましかった
そう言ってたから……。」



複雑だった。ずっと俺が一番だった
朱奈が先輩を好きになってしまった。
俺をどんなに慕ってくれても
俺たちは兄妹だから……。


  俺は先輩がうらやましいよ


そう思った。
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