禁断の恋はじめます

「おとうさんによく似てるわね。」

前田という女に出会って　俺の人生は
終わった。


「父?あんまり言われたことないです。
僕は祖父に似てるようです。」


「そう?その鋭い目が…とても
よく似てるわ……。」


年の頃なら　両親と同じくらい
年はいってるけど　美しい女の人だった。


有名になったら親戚が増えるって言うから
きっとあの人もひやかしだろ

それしか思ってなかったけど


　　とうさんに似てるって…

そう考えると笑えた。


とうさんはほんわり優しく穏やかな人で
かあさんは明るくて朗らかで…
朱奈はそんな二人のいいとこどりで

大きな目が印象的な美少女だった。


反対に俺は　一筆書きでかけるような
簡単な顔で　目はいい意味で
野性的だとか言われたけど
全く似ていなかった。


母方の親戚にも　俺に似てる人は
あまりいなかった。

というか…いつも
朱奈には優しく語りかけるけど
俺のことは無視してる奴らが
多くてむかついた。


こづかいも朱奈はもらえても
俺はもらえない。


　　どうしてなんだろう

見ないふりをしてたけど
いつも疑問だった。
そんな時　両親が決まって朱奈に内緒と
たくさんこづかいをくれた。


嬉しかったから…まぁいいや

そう思っていた。