禁断の恋はじめます
サッカーの試合は必ず来て ビデオカメラをまわす。
ひときわ大きな声で

母親と朱奈の
「啓吾~~いけ~~」と絶叫の中
俺はボールを持ってゴールを目指した。


いい意味でも悪い意味でも
その日は食卓で父親が撮ってくれた
ビデオを見ながら反省会


朱奈もいっぱしの厳しいコメント


それがあたりまえでうれしかった。


朱奈が美少女と言われていたから
俺も鼻が高かった。


先輩が昔

「いいな~」と言った。


俺は有頂天だった最高の家族がいるから…。



あたりまえの17年間だった。


朱奈からサッカーに逃げる準備をしていた。
どうあがいても結ばれることのない
兄と妹に…疲れた。

朱奈が泣くたびに…
俺は罪悪感で一杯になる。


抱きしめてもキスしても
俺たちが結ばれる日は永遠に来ないから


別れを決意したのに…
皮肉な話で……。

そう夢みたこともあった。
他人であったなら・・・・・・・。


その願ったことが現実になった。
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