禁断の恋はじめます
噂はどんどん広まってくる。


Jに決まっていたのに
日本代表に選出されたのに


  何が合った?


好奇の目にさらされながら
俺は怯えていた。
いつ・・・本当のことが
世間に知れ渡るんだろうか……。


その時育ててくれた両親や
朱奈にまで迷惑が及ぶ……
俺はどうしたらいいんだろう……。



前田が言った。


「あの家出るんだったら…手を貸すわよ。」


「貸す?あんたの望みは何?」


「何だろう……。
ただ…あなたともう少し
一緒にいたいかなって……。
現実から逃げたくなったら
いつでも連絡してきて……。」



前田はそういうと一枚のメモを
俺に渡した。


「あなたが本来いる場所に
戻るだけよ…。」


冷たいけれど美しく微笑んだ。
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