禁断の恋はじめます
身の回りを片づけ出すと
たくさんの幸せの思い出にぶつかった。


家族で行った温泉で
記念に買ったキーホルダー


自分の夢を書いた作文



そして明るく笑う四人の笑顔



俺は一枚だけ…選んで写真を持った。



それから心配している千沙に
別れたいと告げた。


「なんで?」


「もう一緒に笑えない。」


「言ってることよくわかんない。
辛いことがあるなら
私が支えてあげるから…
別れるなんて言わないで……」


泣きながら訴える千沙を
置き去りにして俺はその場を去った。



それから大好きだった両親に
家族をやめる宣言をした。
泣いていた・・・・。
悲しい思いをさせてごめん



朱奈がその様子を見ながら
大きな瞳からポロポロと零れ落ちる涙も
拭かずに茫然と立っていた。


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