禁断の恋はじめます
「お電話かわりましたけど?
病院が池端にどのような御用件?」

おばあさんの声から
おばさんの声に変わった。


「あ…あの…今日こちらで
受診したのですが 診察が終わらないのに
帰ってしまって……。」


「病院代払ってないということ?
明日にでも行きます。
おいくらなのかしら。」

事務的な対応にペースが乱れる。


「そうではなくて……
うちの医師が診察を受けてほしいと
いうことなので 早急に受診して
欲しいんですけど。」


「早急にって…?
何かおかしな病気なの?」


おばさんの声が動揺していた。


「あ…いえ
それをもっと詳しく検査したいと…
あの…池端さんは何時ごろ
戻られますか?」


「あ…何時になるか……。
本人に伝えておきます。」


「携帯とか…ご本人と連絡直接
とるような番号とか…
教えていただけますか?」


我ながらうまい誘導をしたなと
感心した。
おばさんは渋々 連絡先を教えてくれた。
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