禁断の恋はじめます
「あれって…
お客に貢がしてるんでしょ?
よくあるじゃん~~
ホストに狂って 貢ぎまくる女って~。」


みんながそう言いながら
通り過ぎていったけど
私にはわかっていた。


男はしゃがみこんで
ひたすらツバを吐いている。


「啓吾……。」



「池ちゃん どうしたの?」


同僚が足を止めた私に
気づいて振り返った。



「ごめん…。先行ってて…。
後で行くから……。」



「あ わかった。」


みんなは怪訝な顔をしながら
私を置いて歩き出した。


「行けよ・・・。」



「行かない……。」



「ウザイな……。」



「ウザイよ……。
朱奈はいつも啓吾にそう言われても
…啓吾のそばにいたんだもん。」



「ほんと…迷惑……。」


啓吾は髪の毛をさらに
またクシャクシャにして立ちあがった。
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