禁断の恋はじめます
「答えずらいことを
ハッキリ聞くのね……。」


田辺 裕子はタバコに火をつけた。


「すみません。
あまりゆっくりしている時間は
ないんです。」


「時間?」


「啓吾は…兄が……
具合が悪いの気づいてなかったんですか?」



「病院嫌いだから…
あの子…注射されるのが
本当に嫌いなのね。
それでも…行ったんだから
もうずいぶん具合悪かったのね。」


「他人事みたいですね。
恋人だったら そんなこと言ってないで
ひきずっても病院連れて行きませんか?
母は 啓吾が泣き叫んでも
病院に連れていきました。
ハッキリ言います。
啓吾を返してください。」


田辺 裕子は目を丸くしてたけど
急に笑いだした。


「あはは…はは…
ほんとそうだわね。」


他人事のような
自称恋人と名乗る
母親くらいの年の女


どんどん腹が立ってきた。
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