禁断の恋はじめます
「啓吾を返して下さい。
あなたには無理です。
私たち家族のところに
返して下さい。」



「啓吾がうちに転がりこんできたのよ。
私のところに置いてくれって…。」



「え?どういう意味ですか?」



「私を必要としたのは啓吾。
彼に聞いてみて……。
彼が帰るというなら
どうぞ連れて帰って…。」


挑戦的な目をしていた。


  クソババァ…


その時 電話が鳴って

「ちょっと失礼…。
大切な電話なので…。
コーヒーでも飲んでいて…。」


田辺 裕子 はそう言うと
リビングの中央にある螺旋階段を
登って行った。


「ふー……。」
緊張したせいか すごく
疲れていた。
お酒も入っていたから
勢いよく来たけど……
田辺 裕子 の自信満々な様子に
正直タジタジだった。


ソファーから腰をあげて
隣の和室を除くと
仏壇があった。


  そういえばこの人……
  独身なのかしら……。


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