禁断の恋はじめます
大学時代に三人は知りあった。
裕子の夫 田辺は 同じサッカー部の一年先輩で
啓吾の父親 友之と一緒に
サッカーに汗を流していた仲だった。

裕子は友之の一年下で
サッカー部のマネージャーをしていた。


裕子は友之に片想いだったが
友之には地元にすでに
恋人がいるようで
ふり向いてももらえなかった。
裕子は恋心を隠して あくまでも
友人として友之と一緒にいられるだけで
それだけで幸せだった。


そんな中で寂しい裕子に
近づいてきた田辺と勢いで
付き合うことになった。


「お似合いですよ先輩。
ゆうちゃん よかったな~。」


何も知らない友之は二人を
祝福している。


  バカ…バカ…

裕子はやきもちを焼かせたくて
田辺との仲を
友之に見せつける。
でも 友之には何も届かない。


「おまえ…誰を見てる?」
田辺にとうとう気持ちを
見透かされた。


「俺に抱きついて 友之を見てたのか?」
失望した田辺は
それから裕子に
暴力をふるうようになった。


「別れて……。」
そう泣く 裕子に


「ごめん…痛かったか?」
田辺のもう一人の人格が
裕子を愛してると泣く……。


別れられない地獄に
裕子は陥っていた。
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