禁断の恋はじめます
「昨日…親に話たの。
面会時間に見舞に来るから。」


「なんで……?
言わないでって言ったろ?」


「だって……会いたいだろうと…。」


「こんな俺を見て
喜ぶわけがないだろうよ。
悲しませるなって…言っただろ?
親不孝だろう?」

啓吾の口調が怒りに変わっていた。


「だって…言わなかったら
私一生恨まれるもん。
二人とも啓吾に会いたくて…
会いたくて…仕方ないんだもん。」



「親不孝だろ……こんな俺…。」


啓吾は窓の方に顔を向けて
布団をかぶってしまった。



両親は泣いていた。
啓吾に今 会っておかないと
時間がないことを
伝えながら三人で泣いた。


「また家族になろう。
啓吾が戻ってきたんだ。
俺たちが啓吾を愛して愛して
心が元気になってくれるように……。」


パパの言葉に
三人で泣いた。


どんな形にしても
啓吾が自分たちの手の中に
戻ってきた……。


それだけでも感謝しなければと…。
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