禁断の恋はじめます
啓吾と接していくたびに
封印していた箱が開いて行く。


私のおさえていた
啓吾への愛が
啓吾を失ってしまう恐怖に
焦り始めていた。


忙しくしていた勇樹から
電話をもらって
会う約束をした時


私は決意した。


最後の瞬間まで啓吾のそばにいると


それを勇樹に伝えようと。


勇樹の愛を選んでしまった
あの日

後悔はしていないけれど
でもあの時 もっと自分が強かったら
こんな形で啓吾を失うことは
なかったんじゃないかと

踏み出せなかった一歩を
後悔した。



面会時間に両親が詰め所に
やってきて
菓子折りをもって

挨拶した。


「娘がいつもお世話になってます。
そしてこのたびは息子も
こちらでお世話になることに
なりまして…よろしくお願いします。」


二人は頭を深く下げた。
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