禁断の恋はじめます
「どういうこと?」勇樹の顔が曇った。


話があると勇樹を呼び出した。


ずっとずっと言葉を考えていたけど
勇樹の顔を見て真っ白になった。


「プロポーズ…断りたいの。」


「ちょっと待ってよ。
どうしたんだいったい……。」

勇樹が混乱するのは
よくわかる。
本当に突然のことだし
前触れもないし
勇樹に申し訳ない気持ちで一杯だ。


「啓吾が…啓吾が
帰って来たの……。
だから啓吾と一緒にいたいの。」



「啓吾?それは…別にいいけど
なんで結婚できないんだ?」


心臓が脈打っている。
私は今


世界一残酷な言葉を勇樹に
言おうとしている。


「それは………
私は啓吾を愛しているから……。」


勇樹は吸っていたタバコを
口から落とした。


「何が言いたいのか…わかんない。」

勇樹の混乱は
私の胸をえぐる痛みだった。
< 349 / 443 >

この作品をシェア

pagetop