禁断の恋はじめます
「異常じゃん。
兄を愛してしまった妹なんて
許せないことだろ?
でも他人だったから大手振って
堂々と一緒になるって
そういう簡単なことなのか。」


「責められるのは覚悟の上だよ。
私はすごくひどいことを
しているんだもん。
ごめんね。勇樹の胸に
飛び込むと私も思っていたけど
啓吾に…会ってしまったの。
啓吾と離れていた時間を……
家族と一緒に埋めたい……。」


勇樹が立ち上がった。

「俺にも時間くれ。
少し考えたい。
別れたいって簡単に言われても
……俺には朱奈と
一緒に過ごしてきた日々は
そう簡単に切れるものじゃない。
少なくても
朱奈のように
啓吾を愛してるから
別れてくれとは簡単には言えない。」



勇樹は足早に歩き出した。


視界から消えて行く勇樹に
何度も何度も
謝り続ける。
      


  ごめん

でも今は…
最後の瞬間まで啓吾のそばにいたい
わかってもらえなくても
理解されなくてもいい


離れていた時間は地獄だった。
もう二度と啓吾を失いたくないのに
時間がない……。


  強くならなきゃ…
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