禁断の恋はじめます
「もう 次は…ないかもしれないから
いいよ。おにいさん
容態落ち着いてるから
一度退院しようか?」



「退院ですか!?」

私も嬉しくて興奮した。
これを啓吾が聞いたら
どんなに喜ぶだろう。


啓吾が真実を知る日まで
楽しく過ごしていたあの家で
家族の絆を取り戻したい。


啓吾が……
太陽が戻ってくる……。


私たちもあの日から
時間が止まっている。



「マジ?」啓吾がニッコリ笑った。



「パパに電話してくるわ。
あ~~どうしよう
嬉しいわ~~~。」



「ママのそんな顔ひさしぶりに
見た気がするわ。」
私は小躍りする母に声をかけた。


「だって……嬉しくて
あの幸せだった時間が……
啓吾が止めちゃった時間がまた
動き出すんだもの。」


母は病室を飛び出して行った。
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