禁断の恋はじめます
「今まで…頑張ってきたからだよ。
啓吾は一人で孤独と
戦ってきた…。
だからきっとホッとしたんだよ。」

朱奈も泣いていた。


父も立ち上がって窓辺の
鉢を気にしてるふりをした。



「これから…きっと
辛い思いさせると思うけど
俺は…この恩返しのために
病気と最期まで戦うよ。
よろしくお願いします。」



「私たちは…家族だもの。
そんな啓吾を応援していくわ。」


朱奈が母にテイッシュを差し出した。



「おまえが俺たちの子供で
本当によかった……。」


父が俺の頭を 子供の時みたいに
ポンポンと優しく撫ぜた。


温かい食卓
家族の絆


そして優しい時間


死に向かう俺への
最高のプレゼントだと思った。
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