禁断の恋はじめます
兄として…兄としてなら
朱奈の間違いを正してやりたい。


もう一度自分に問う。


先輩に朱奈を
幸せにしてもらうんだろ?


そうだよ。
俺はもう朱奈を幸せにして
やることはできない。


男として朱奈を…
死ぬ前に抱きしめなくて
いいんだろ?


俺への未練を
朱奈に残すわけには
行かない……。


家族として
ここで最期を迎えられる
だけで充分だろ?

朱奈は可愛い妹で
俺を…救ってくれた……。



これ以上…
時間がないのに
求めてはいけないんだ。


自由が利かなくなる前に
朱奈を先輩の腕の中へ……。


先輩の携帯の番号を
押そうとした時だった。


「啓吾~~~」
下から母の呼ぶ声がした。
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