禁断の恋はじめます
「私は…私のしたいようにしたいだけ。
もう悩んだり罪悪感の中で
啓吾を見たくないの。
別に啓吾には何も望まないわ。
ただ・・残された時間が短いなら
精一杯啓吾の思うように生きられればいい。
私はそんな啓吾を近くで
支えていたい……。
もう何にも縛られたくないの。」



「朱奈……。」



「啓吾が過去を乗り越えられているなら
私だって乗り越えたいけど…
きっと私が啓吾を
好きになってしまったから
神様は啓吾にだけ試練を与えて
しまったのかもしれない。」



「なことねーよ。
それは俺の運命なんだからさ。
朱奈は俺のことになんか縛られずに
おまえを今一番愛してくれてる人を
選べばいい 間違ってないんだぞ。」



「でも…私は…今…
ずっとずっと押し殺してきたものが
どんどん大きくなってくる。
そして今度こそ本当に永遠に
愛する人を失ってしまう恐怖に
気が狂いそうなの。
だから…何も言わないで
そっとしておいて……。
啓吾に迷惑はかけないから
私のしたいようにさせて。」


啓吾がため息をついた。
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