禁断の恋はじめます
「啓吾・・・入るわよ。」


啓吾の体温と血圧を測りに
部屋に入った。


「啓吾?」


布団をかぶったままの啓吾に
私は走り寄った。

「具合悪いの?どこか痛い?」

とうとう…
幸せだった時間が終わってしまうのか
私は絶望感に襲われる。


「……う……」唸り声が聞こえて
耳を澄ました。


「啓吾?」


嗚咽だった。

「どうしたの?啓吾……。」


啓吾の体が嗚咽で
揺れていたから私は少し
安心した。


  痛いんじゃないんだ……。


「また…後で来るね。」


私は啓吾の部屋を後にした。

ドアを閉めた瞬間
啓吾の泣き声が響きわたる。
< 388 / 443 >

この作品をシェア

pagetop