禁断の恋はじめます
出発当日の朝だった。


「朱奈~~朱奈~~」

母の声で目が覚めた。


「どうしたの?」
目をこすりながら降りて行くと
ママが


「パパがギックリ腰みたいなの。」


「え~~~!?何でまた……?」


「それがね スーツケースを持ちあげた
瞬間から固まっちゃって……。」


「スマン……ほんと申し訳ない。」


「申し訳ないって…言ったって…。
啓吾楽しみにしてたよ。」


「あなたたちだけで行って来て。
ママ 動けないパパを置いて行けない。
朱奈 啓吾連れて行ってあげて。」


思いがけない展開に


「嘘でしょう?」と叫んだ。


ママはお昼に食べなさいと
用意していたお弁当をバックに入れた。


「ホテルはチェックイン早いところだし
それまで昼我慢して ついたら食べなさい。」


「ちょっとママ待ってよ~~。」


「キャンセルはできないわ。
もったいないもの。」


「それはそうだけど……。」


戸惑う私を尻目に
母が車の中に荷物を詰出した。


< 394 / 443 >

この作品をシェア

pagetop