禁断の恋はじめます
「ママ?何?もう料金払ってるって
ここいったい一泊いくらなの?」


「え?それはまた後で…。
あのね…朱奈……。
ママとパパは朱奈を応援してる。
だから……自分が思った通りに…
突き進みなさい。」


「どう意味なんだろ?」

私はよく意味がわからない。
啓吾が肩を震わせて笑った。


「え?何よ。啓吾。」



「朱奈……ごめんね……。
あなたに啓吾の出生の話をしたばかりに
ずい分悩ませてしまって……。
私たち四人はね…
啓吾の両親と四人ってこと……
あなたたちが大きくなったら
結婚してくれたらいいねって
そう話していたのよ。
だから…啓吾はこんなことに…
なっちゃったけどね…
それでも朱奈は自分に正直に
後悔しない生き方をしてほしい。
啓吾が死んでこの世から
いなくなった後でも
あなたが後悔しない…生き方して。
今日は二人でたくさん
話しなさい。
兄妹だと思わせたこと……
それから…啓吾に兄じゃないこと
伝えられなかったこと…
ごめんなさいね……。」



私は茫然とした。

「じゃあね・・・。
パパはギックリじゃないから安心して。
今夜はこっちも仲良くやるから。」


そう言うと母は電話を切ってしまった。



「あ…ママ?あれ……切れちゃった。」


啓吾と目が合った。


  ママったら……
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