禁断の恋はじめます
「俺がいなくなった後
朱奈が幸せになる方法は
俺を忘れさせることしかない。
だから…絶対におまえには
俺の気持ちを言っちゃダメなんだ。
とうちゃんもかあちゃんも
おまえのこと大切に想ってるんだな。
『朱奈の望むようにさせてあげて』
ってさ。それじゃ俺が死んだあとも
朱奈が俺を引きずってしまうだろう。
それが朱奈の
幸せだって俺は思えない。」


俺は寝ている朱奈の横に
横たわった。


「うわ…酒くせーぞ。
色気も何もなし~~。」


可愛い鼻をつまんだ。


「ん……」朱奈が顔を動かした。



「俺の…望みを聞いてくれるか?
俺が死ぬまえに
おまえの花嫁姿がみたい…。
朱奈を全ての苦しみから守ってくれる人と
一緒になる朱奈を……
そしたら…俺…安心して
逝けるんだけどな。
これ以上言ったらおまえ
また怒るだろ。
俺とおまえは心の底で繋がってればいい。」


朱奈の前髪をかきわけた。



「可愛いな~おまえは
ずっと変わんないな……。
俺を想ってくれる気持ちも全部
最高な贈り物だよ。」


朱奈がさっきまで
酒の力を借りて必死に
俺に語っていた愛の告白は
最高に嬉しかった。
< 410 / 443 >

この作品をシェア

pagetop