禁断の恋はじめます
不思議にその薬は
俺を救ってくれた。

おだやかな時間がまた
戻ってきた。


「今日は何曜日?」

検温に来た看護師に聞いた。


「日曜日ですよ。」



「あ…そっか…。」



「雪もとうとう溶けましたよ。
春です。」


カーテンを開けてくれたら
温かい日差しが俺を照らす。


「そのままにしておいて
下さい……。」



看護師が出て行ったあとも
ずっと窓の外の空を見ていた。


  何階だったっけな……。


容態が落ち着きだして
俺はわかっていた。
もうすぐくる最期の時を……。



  そういえば先輩…来ないな。


朱奈が呼んでない気がした。
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