禁断の恋はじめます
「外出ですか?」

俺は驚いて主治医を見た。


「今 薬も効いてるし
今日はすごく天気がいいから
ご両親からも外出させたいと
要望があったので
春を楽しんできたらいいですよ。」


主治医が言った。


「大丈夫ですか。」

自分の方が不安になる。


「今日は汗ばむくらいの
初夏のような温かさだし……
こんなに落ち着いているんだし
少し外の空気に触れて
また頑張りましょう。
お家の方がもうすぐ迎えにきますよ。」


この外出も
俺の最期が近いということか


そう思うと
プレッシャーになった。


病室以外を見るのは
もう最後ってことになる…。


しっかり目に焼き付けて
来ようと思った。
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