禁断の恋はじめます
「長くはないでしょう。
会いたい人とかいたら
会わせてあげて下さい。」


啓吾は急激によわって行った。
激痛に苦しみながらも
私たちのまえでは
弱音を吐かなかった。



だけど
もっと強い薬を


そう啓吾が言いだした時
もう限界が近づいているのが
わかった。


痛みから解放される一瞬
啓吾は全ての生気を奪われてしまったように
死んだように眠っている。



どう切りだそうか言葉を
考えていたけれど
勇樹が

「啓吾は強い男だから
大丈夫だよ。」
そう言ってくれたから


啓吾に会いたい人はいないか
はっきり尋ねた。


一瞬複雑な表情になったけど
啓吾は


「裕子と先輩」と言った。




私は 
田辺 裕子に連絡をとった。
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