禁断の恋はじめます
「私に会いたいって
言ってくれたの?」


病院に現れた裕子は いつもの
若作りではなく
年相応の格好で現れた。


少しやつれた気もした。


裕子の声が震えていた。
でも私は怒りをおさえきれなかった。

「今頃言っても遅いけど
あなたが私たちが必死に嘘で
守っていた啓吾を
奪って行ったから……
こんなことになったんです!!」



「そうね……。
私が…啓吾の運命を
変えてしまったのよね。」



「でも
ずっと恨んでいたけど…
啓吾があなたに会いたいって
そう言ったから…
もう恨まないことにします。」


私はそう言って
啓吾の病室を教えた。



  この人は啓吾を愛してたんだろうか



後姿を見ながら
そんな事を考えていた。
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