禁断の恋はじめます
勇樹のケイタイが鳴った。


立ち止って
勇樹はケイタイをポケットからだして


「はい。」と言った。


「ああ…うん……明日?
……本人に聞けよ……
なのしらねーし……
アイツが困るのに行っていいのか?
俺はしらねーよ。
おまえに聞かれたから
教えるだけだぞ。
電話何回目よ…」



そう言って明日の
試合会場と時間を教えた。



「あ…ごめんな。」

電話を切って
勇樹が言った。


「啓吾の彼女から…
明日応援に来るんだって……
だけど啓吾が
来なくていいって
時間とか場所教えないから
おしえてくれって
しつこいんだ……。」


啓吾の彼女


胸が騒いだ。


「その人って髪の毛長い?
脚とかメッチャきれいな人で
高い声で笑う?」

思い切って聞いてみた。



「うちの学校で一番人気…
俺はあんまあ~いうのは
スキじゃないけど……
啓吾はスッカリ骨抜きされたって
部活でいじられてるよ。
朱奈も会ったのか?
俺には口止めしてたけど……
もしも妹とメールしても
絶対言わないでって……」



「啓吾 秘密って言ってたの?」



「朱奈だって俺のこと
秘密なんだろ?
おまえら兄妹して秘密にして
どこまでソックリって感じだよ。」
 

何も知らない
勇樹が笑う………。
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