禁断の恋はじめます
「できたのか?」


啓吾が顔を近づけてきた。


 ドキン


「あ…まだ…」


啓吾が問題集をとりあげて


「こんな問題解けないと
危険だぞ~」

そう言いながら
解き方をおしえてくれた。


近くでみる啓吾は
切れ長の涼しげな目と
鼻筋の通った高い鼻


ドキンが早くなる……



私たち兄妹は全く似ていない。


パパ似の
私は目もグリンと大きくて
まつ毛もフサフサで


啓吾が日本人的な顔だったら
私は外国人的な顔で


「似てないね。」と言われた。


ママが
「啓吾は私の死んだ兄にソックリなのよ。
いい男でね~ほんとに素敵な人だった。
ママのおじいちゃんって人と兄が
よく似てたみたい。
失礼よね、似てないとか……
運動も兄は得意でね
だけど啓吾の頭のよさは
絶対パパ似だわ……。」


啓吾の顔を
近くで見ていると
そのおじさんがどんなに素敵だったのか
想像がつく……。



「おい…聞いてんのか?」


啓吾が上目づかいで
私を見た。


心臓がドキンドキン


音が聞こえてないのか
心配になる。


「わかってるって」

だからぶっきらぼうに答える。

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