禁断の恋はじめます
「生意気だな~せっかく
時間をさいてやってんのに」

啓吾が頭をわしづかみにした。


啓吾に触れられるところが
いちいち

キュンキュンしまくっている。



「痛い~!!
意地悪啓吾!!」


それを気づかれまいと
私は必死だった。



「あ~久しぶりに聞いた。」

啓吾が言った。


「何を?」


「啓吾って……」



  そうだここんとこ
  おにいちゃんって呼んでた。


「なんでおにいちゃんになった?」



答えにつまる……


「じゃあ…昔から思ってたの
 どうしておにいちゃんって呼ばれの
イヤなのかなって……」


反対に質問を返した。


「エ~!?俺が質問したんだぞ。」



「私の方がずっと前から
不思議だったから。」



啓吾はいきなり
私の唇を引っ張った。


突然のことで
私は驚いた。

こんなことされんの
何年ぶりだろ・・・・・。



「おまえのこの不貞腐れた時の
口が憎たらしい。
タコみたいな口になるぞ。
タコ~」

そう言って笑った。


小さい頃 言い合いになると
必ず啓吾が途中で
私の唇を掴んだ。


タコというのは
ケンカすると顔が赤くなって
口を尖らすから
啓吾は私をそう呼んだ。
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