禁断の恋はじめます
夜のベランダに揺れてる啓吾の
ユニフォームとソックス


今日の試合は勝ったみたい。


啓吾はサッカーのものを
帰ってきたら
必ず自分で洗って部屋のベランダに
干すんだ。


小学校にあがって
啓吾はすぐにサッカー少年団に入部した。


週末 パパとママと
啓吾の試合を見に行くのが日課だった。



私にとってただ
外で啓吾に試合を
ボーーーッと見てるだけの週末は
絶対楽しくないはずなのに
私はその観戦が
何より楽しかった。


「朱奈ちゃんはエライね~
毎週 おにいちゃんの試合
結構真剣に見てるよね~」


サッカー母たちに感心される。


今思えば
ピッチを駆けている


啓吾がカッコよくて
私はサッカーしてる啓吾も


大好きだったんだ……。


私のこれまでの生活に
啓吾はこんなに影響してて


それは気づかなかっただけで

今気づいてしまった
啓吾へのコイゴコロの予兆
だったのかもしれない…。


私の14年間


啓吾のことしか……
ないのかもしれない………。



 マズイ…マズイ…


軌道修正しなくちゃ……


禁断の恋にまっさかさまに
落ちてしまう……。



永遠に叶うことない
禁断の地獄へ……


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