禁断の恋はじめます
 好き…好き…


心臓の音がそう言ってるような
気がした。



「手がかかるよな~」

啓吾は玄関で私の頭の雪を
ほろってくれた。


「ありがと
おに~~ちゃん~~」


わざとに
強調して言った。


一瞬 啓吾の目が止まった。



 あ……


「あ…ネックレス?
勇樹がプレゼントしてくれたの。」



「誕生日だもんな。」




「うん……」

なんだか少し
後ろめたくなった。




「明日は給食前に早退して
駅の東改札口に
1時半に待ち合わせだな。
遅れるなよ~」


啓吾は部屋に入ってしまった。


さっきまで優しかったのに
ネックレスを見たからかな……。



別に妹の彼氏のことなんか
啓吾が気にするわけないよ…。



先輩だから
少しイヤかもしれないけど……




シャワーに入って濡れた髪を
タオルに包んだ。


ブラウスとスカートにアイロンをかけた。


啓吾のもかけてやろう



部屋をノックした。
< 70 / 443 >

この作品をシェア

pagetop