禁断の恋はじめます
啓吾が今にも消えてしまいそうで
私は吸い寄せられるように


啓吾のそばに行って


自然に啓吾の体を
後から抱きしめた。



「しゅ…朱奈?」



「怖いんなら冬が大好きな
朱奈がそばにいてあげるよ。
大丈夫だから…
そんなに怖がらないで…」



啓吾は自分の前で
組まれている私の手を
握りしめた。


「雪はきたないものも
真っ白に覆ってくれるから」



積極的な自分の行動に
今さらながら
ドキドキしてきた……。


「朱奈……」



「ん?」



「めっちゃ心臓ドキドキいってる…」



「わかった?
このまま止まっちゃいそう…
こんなことして…
嫌いにならないでね……」



「何で?」



「だって…彼女じゃないのに
普通妹がこんなことしちゃ……」



私が啓吾から離れようと
した時



「このままでいろ…」


啓吾が言った。
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